脳出血、おとめちゃんの場合 [今日のおとめちゃん]

痴呆に関わる物質として、最近クローズアップされてるなかで、アミロイドβってータンパク質があるんだそうな。
アミロイドβ。
ちょっと強そうなネーミングで、心ときめく。
アンドロイドが羊の夢を見ながら強化された的なネーミング(←印象には個人差があります)で。
アルツハイマー症では、このアミロイドβが脳内で蓄積することが分かっている。

おとめちゃんの場合。
脳出血は、アミロイドβが沈着したことにより細胞が崩壊したことで、起こったものと疑われる。
最初の検査で、医師からそう説明を受けた時。
おっと、意外に最先端な展開・・・と、ちょっとビビったものだった。

写真で見る、おとめちゃんの出血はひどかった。
18日に入院した段階でした検査では、マウスくらいの大きさの影、すなわち出血が写っていた。
おおざっぱに、脳全体の四分の一くらいか。
出血による圧力で、中心線が歪んでいるのが、写真でもわかった。
脳幹を圧迫する勢いで、つまり、脳死寸前。
なかなか派手な写真であった。

脳は老化すると萎縮する。
だから、スカスカの状態になるのだけれど、そのスカスカの部分に血液が納まってくれれば、機能している部分の脳を障害しないでいてくれる可能性がある。
おとめちゃんの場合も、若ければとっくに死んでるレベルの出血なんだけど、年寄りなので生きている、という感じだった。
なんでも若くてピチピチならいいってもんでもないのか、と思うと不思議な気がする。
面白いといえば面白い現象ではあり、だからこそ難しい状態でもあったのだろう。

若ければ手術をしたほうが絶対にいい、という重程度の病状だが、高齢であるためリスクが高すぎる。
手術をしても、寝たきりの期間を長引かせるダケ、という医師からの説明だった。
本人の自然治癒にかけることにした。

体内での出血は、時間が経つと、組織に吸収される。
それを期待したのだが、入院した夕方。
瞳孔の収縮率が変化。
吸収どころか出血はむしろ進んでいたのである。

当初、出血の程度にしては、救急搬送されたときの意識レベルが比較的に良かったので、もしかしたら、と医師も思っていたフシがある。
それでもやっぱりダメだった。

これまで繰り返し転倒して、何度も頭を打っていたけど、全然なんともなかったおとめちゃんである。
家族のみならず、事情を知っている人たちは、みんな、おとめちゃんが不死身だと思っていた観がある。
さすがに不死身じゃなかったらしい。

救急搬送、即日入院。その翌日に亡くなった。
そのあと。
みんなに「あっという間だったねえ」と言われたけれど。
確かに。

結局、妄想と徘徊、最近は時々レベル3の放心状態に陥る程度に重い痴呆ではあったものの、体のほうは最後の最後まで結構動いていたもので。
このあと、寝たきり生活が1・2年はあるんだろうなあ、と。
なんとなく予想していただけに。
家族にとっても、驚くほど早い展開で。
むしろ、呆気にとられた、って感じかなあ。

と、まあ、かような展開。
落ち着いたら書いておこうと思っていたので、一応ね。

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