二本 [今日のおとめちゃん]

「おかしい」
と、おとめちゃん。
口の中に手を突っ込み、突っ込みしているので、なんだろうと思っていたら。
「おかしい、歯がなくなってる!」

ちなみに、おとめちゃんの歯は、もうずっと前になくなっている。
私が物心ついた時は、すでに総入歯だったんだから、歯無し歴は長い。
母親も入れ歯じゃない顔を見た記憶がない(これについては、ないわけがないと思われるのだが、それはそれとして)と言うくらい。
あるいは半世紀近く、歯無しで暮らしているものか。
いづれにしても、人生の大半を総入歯で過ごしていると思われる。

とめちゃんが、その入れ歯の存在さえ忘れて、しばし経つ。
これはチャンスかな、と思って、
「とめちゃん、入れ歯、いれてみる?」
すかさず、入れ歯を見せてあげたら、
「キモチ悪い・・・」
と、拒絶された。
(おまえんだよ、おまえの入れ歯!)

「自分の前歯があるはずなのに」
なくなっちゃった、と口の中をまだ探してる。
「二本。前歯が二本あるはずなんだよ」

・・・とめちゃん、君はリスなのか?

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